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ゴジラvsデストロイア
Godzilla vs. Destoroyah
監督 大河原孝夫(本編)
川北紘一(特技)
脚本 大森一樹
製作 林芳信
富山省吾
製作総指揮 田中友幸
出演者 辰巳琢郎
いしのようこ
林泰文
大沢さやか
小高恵美
高嶋政宏
村田雄浩
上田耕一
中尾彬
篠田三郎
河内桃子
音楽 伊福部昭
編集 長田千鶴子
配給 東宝
公開 日本の旗1995年12月9日
上映時間 103分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 ゴジラvsスペースゴジラ
次作 ゴジラ2000 ミレニアム
  

ゴジラvsデストロイア』(ゴジラたいデストロイア、または、ゴジラ ブイエス デストロイア)は1995年12月9日に公開された日本映画で、ゴジラシリーズの第22作である。観客動員数は400万人。配給収入は20億円。キャッチコピーは「ゴジラ死す」。

テンプレート:ネタバレ

概要 編集

ゴジラが死ぬ作品として話題を呼んだ(ファンによる「ゴジラの葬式」というイベントも行なわれた)、平成vsシリーズの完結編。1954年公開の第1作『ゴジラ』へのオマージュ色が濃く、タイトルクレジットが現れる画面では初代ゴジラの鳴き声とともに第1作のタイトルクレジットとして使用された「ゴジラ」の三文字が現れて爆発。オキシジェン・デストロイヤーに飲み込まれて海に沈み、その上から新たに本作のタイトルが現れるという演出が入る他、第1作ゆかりの人物やエピソードが多数登場する。

この作品は1954年のシリーズ第1作から製作に携わっていた田中友幸の遺作となっており、また、音楽担当の伊福部昭もゴジラシリーズ最後の作品となった。

登場する怪獣は、ゴジラゴジラジュニアデストロイア。本作のゴジラの鳴き声は前作までと違い、甲高い鳴き声の中にうめき声のようなものが強調されている。

主要襲撃地点は、香港東京羽田空港有明)。また、ゴジラは愛媛県伊方発電所に接近したが寸前で阻止され、四国(伊方町)上陸は果たされなかった。

観客動員数は400万人、配給収入は20億円で1996年の邦画配給収入第1位を記録している。

エンディングのスタッフロールの背景は第一作、及びそれまでに作られた平成vsシリーズ作品の映像が使われているほか、音楽は有名なゴジラのメインテーマを筆頭に据えた伊福部昭による「SF交響ファンタジー」をアレンジしたものになっており、その曲中にはシリーズ最高の動員を記録した『キングコング対ゴジラ』の音楽も含まれる、まさにフィナーレを飾る内容となっている。

テンプレート:ネタバレ

ストーリー 編集

バース島が消滅し、ゴジラリトルゴジラが姿を消した。1ヶ月後、香港に出現したゴジラは従来と違い赤く発光し、赤い熱線を吐きながら香港の町を蹂躙していった。バース島消滅は、その地下の高純度の天然ウラン熱水に反応した結果の爆発であり、その影響を受け体内炉心の核エネルギーが不安定になったゴジラは、いつ核爆発を起こしてもおかしくない状態であった。

同じ頃、東京湾横断道路の工事現場で工事用パイプが溶解するトラブルが相次いで発生。しながわ水族館では魚が突然水に喰われる様に白骨化する怪事件が起きる。その原因は、かつてオキシジェン・デストロイヤーを使用してゴジラを死滅させた時、海底に眠っていた古生代の微小生命体が無酸素環境下で復活し、異常進化を遂げた恐るべき生物・デストロイアであった。デストロイアは急速に巨大化し、人間大の大きさとなって警視庁特殊部隊SUMPを襲い、更には自衛隊の攻撃に対して集合・合体し、40メートルの成長体と化して破壊の限りを尽くす。

御前崎沖に、ゴジラより小さい、ゴジラジュニアと呼ぶべき怪獣が出現した。それは行方不明となっていたリトルゴジラが、天然ウランの影響を受け成長した姿であった。バース島を失ったゴジラジュニアは、自らの故郷であるアドノア島へ帰ろうとしていたのだった。

ゴジラは、伊方発電所を襲撃しようとした際にスーパーX3の放ったカドミウム弾を受け、体内の核分裂が制御されたため、核爆発の危機を免れる。しかし、今度は体内の温度が1200度に達した時にメルトダウンが発生する事が判明。地球が灼熱の星と化してしまう危機が訪れる。もはやゴジラを倒せるのは、オキシジェン・デストロイヤー=デストロイアしかいない。ゴジラとデストロイアを戦わせるため、ゴジラジュニアを囮としてデストロイアに向かわせる作戦が提案されるが・・・。

本作の特徴編集

核エネルギーの暴走によりゴジラの体が所々赤く光り輝いている。このゴジラを再現するため、発光部分には860個もの電球、体内からの蒸気には炭酸ガスがそれぞれ使用されており、スーツの重量は100キロを越える。スーツに埋め込まれた装置を作動させるための電源ケーブルを引きずっており(映像処理で消して対処)、ただでさえ重いスーツの動きがさらに緩慢となったため、映画では撮影したものを早送り再生していたという。ゴジラを演じた薩摩剣八郎が撮影テスト中、スーツ内に充満したガスで倒れるハプニングもあり、以降は常に酸素ボンベを着用しての演技となった。

ゴジラの死亡が明確に描写された作品はこの作品と1954年公開の『ゴジラ』の2つのみであり、ゴジラが自身の肉体能力(原子炉)が暴走してしまい(原子力発電所などにおいて原子炉が耐熱限界を上回る高熱による炉心溶融のようなもの)自爆とも取れる映像が描かれているのは本作のみである。

体内で核エネルギーが暴走しているゴジラには通常兵器による攻撃は核爆発を誘発する危険性が高いため、前2作のGフォースに代わり、冷凍系の兵器で武装した自衛隊が活躍した。なお、この作品でデストロイアにとどめを刺したのはゴジラではなくスーパーX3率いる自衛隊の冷凍兵器部隊である(カットされてしまったが、デストロイアが自衛隊の攻撃でも倒れず、ゴジラと最後の死闘を繰り広げた末に倒され、その後ゴジラも死んでいくというエンディングがある。DVDの特典映像で未公開シーンとしてその一部始終を見ることができる)。

スーパーXシリーズの兵器が『ゴジラvsビオランテ』以来6年ぶりに復活した作品でもある。初期段階では、スーパーX3の代わりに『海底軍艦』の轟天号が登場する予定だった。

シリーズ第1作『ゴジラ』のオマージュとして山根恭平の娘・山根恵美子(演じるは1作目と同じく河内桃子)やオキシジェン・デストロイヤー再登場の他にも、オープニングが海上を走るカット(第一作目でも同じようにして物語が始まる)、臨海副都心デストロイアが出現した際に伊集院が警察官に「生命の保証はできませんので、お通しする事は出来ません!」と言われるシーン(『ゴジラ』では山根博士がゴジラ上陸の際、防衛隊員に同じセリフを言われる)や、それぞれ怪獣への対応を注意する点が共通している。予告編では、第1作の『ゴジラ』をデジタル処理でカラー化した映像が使われているものがある。

デストロイアの幼体群と人間の戦闘シーンの演出に関して『エイリアン2』や『ターミネーター2』、『ジュラシック・パーク』などの影響が散見される。

なお、デストロイア幼体と戦うのは(劇中で説明はないが、監督が明言している)警視庁の特殊部隊SUMP(小学館「愛蔵版ゴジラvsデストロイア超全集」ではSpecial Unit of Metropolitan Policeの略称とされている)である。これは架空の組織であるが、当時この組織に相当する実在の組織が存在しなかった[1]ため、架空の組織を設定したという事情による。

登場人物 編集

伊集院研作
本作の主人公。物理学者。国立物理化学研究所に所属し、酸素を研究している最中にミクロオキシゲンを発見し、国際物理学賞を受賞した事でマスコミから注目を浴び始めていた。当初は自らの研究を堂々と夢を持って語っていたが、その過程で、発明の先にあるオキシジェン・デストロイヤーの怖ろしさに改めて戦慄することとなる。デストロイアの名付け親となったり、襲われたゆかりを捨て身で救ったり、ゴジラやデストロイア対策に冷凍兵器使用を提案したりと、科学者の肩書きにとどまらない活躍の見せ場も多かった。
山根ゆかり
本作のヒロイン。ニュースキャスター。自身が司会を務める番組で伊集院がミクロオキシゲンについて語った事で、恵美子に頼まれ伊集院に個人的にコンタクトを取っていく事となる。デストロイア幼体群と特殊部隊の戦闘を生中継中にデストロイアの幼体の一体に襲われる壮絶な体験もしてしまったが、その後も取材ヘリから怪獣達の戦いをリポートし続けたり、戦場に取り残されてしまった未希と芽留を伊集院らと共に救出する等活躍した。
山根健吉
大学生。ゆかりの弟で、ゴジラを独自に研究する事を趣味としている落ち着いた青年だが、卒業論文が認められず留年中。ゴジラの異常に関する私的考察を、アメリカのGサミットに送った事で国友から、協力を依頼される。また、未希の大ファンでもあり、彼女も参加していると知ると一度断った依頼をすんなり了承し、Gサミットに加わる程である。そしてオブザーバーとして、職務を遂行したり、ゆかりと共に伊集院の下へ出向いたりする。ちなみに山根姉弟の父親は、第1作『ゴジラ』で、ゴジラによって身寄りを失い、その後山根家の養子となった少年・新吉で、2人の子を残して他界したと語られた。
小沢芽留
Gサミット・アメリカ情報官。超能力者で、未希の後輩でもある。ゴジラの異常に関する会議・対策の為に来日し、G対策センターに加わる。未希と同様に、基本的にはゴジラとゴジラジュニアを案じているが、ゴジラのメルトダウンを避けて地球全体を救う為にジュニアを囮にしようと提案する少々ドライな一面も持つ。『ゴジラVSメカゴジラ』に登場していた、未希の後輩である精神開発センターの女性職員が彼女であったという説がある。
三枝未希
超能力者。前作以後も、任務でバース島にゴジラとリトルを見守りに行っていた為、最初にバース島沈没の事実を知る事となる。今回では超能力でジュニアの捜索を行うものの、見つけ出す事が出来ず、力が落ちているのではないかと自信を失いかける一幕もあった。それでもゴジラやジュニアの身を案じ、芽留と共にテレパシーでジュニアを誘導し、ゴジラの最期までも見守った。
速見
TV局ディレクター。ゆかりの同僚。冒頭のみに登場。
南条
TV局カメラマン。ゆかりの同僚で、彼もゆかりと共に怪獣達の戦いを中継し続けた。
上田
内閣調査室室長。Gサミットに参加し、メンバーの意見を聴いていた。
岡崎、村田
陸上自衛隊陸佐。岡崎は上田と共に、伊集院がミクロオキシゲンが冷凍兵器で無力化できることを突き止めた場に立ち会い、後にクリーンセンターでのデストロイア攻撃の際に、村田と共に迷彩服を着用して臨時司令部に参加した。
中村 野村
Gサミットメンバー。
田山孝夫
しながわ水族館勤務の警備員で、深夜の警備中にデストロイアの微小体によって観賞用の魚達が溶かされる場面に遭遇し絶叫するが、翌日その画像を伊集院達が検証する場に氷枕を額に乗せながら立ち会っていた。
黒木翔
防衛庁特殊戦略作戦室室長。三等特佐。核爆発及びメルトダウンの危険性があるゴジラに対し、スーパーXⅢの出動が決定した為自ら指揮官として搭乗し、6年ぶりにゴジラ攻撃の指揮を執る事となる。
山根恵美子
故・山根恭平博士の娘で、現在は山根姉弟の叔母となっている。ミクロオキシゲンにオキシジェンデストロイヤーの危険性を重ね、さらに地球全体をゴジラの暴走から救う為とそれを使うしかないと考える健吉に反対する。
麻生孝昭
Gフォース大佐。相変わらず司令官であるが、やはり前2年の大敗をまだ引きずっているのか司令官としての威厳が少々感じられなくなっている。それでもゴジラ対策を執り行おうとする姿勢は残っており、国友がゴジラ攻撃を控える事を決定した際には驚いていた。
後藤
陸上自衛隊陸将。臨海副都心・クリーンセンターに集結した冷凍レーザータンク部隊を指揮し、デストロイア攻撃を執り行った。
国友満
国連G対策センター長官。Gサミットの議長も務める2代目長官で、興味深い意見を持つ者と感じれば、民間人でもゴジラ対策のメンバーに招き入れる柔軟さを持ち、健吉に協力を依頼する際も自ら彼の自宅へ赴いた。

スタッフ 編集

本編 編集

特殊技術 編集

特殊視覚効果 編集

協力 編集

キャスト 編集

当初『ゴジラvsビオランテ』同様高嶋政伸が演じる予定であったが、スケジュールの都合が付かなくなったために実兄の政宏が演じている。
ゴジラvsメカゴジラ』及び『ゴジラvsスペースゴジラ』では、Gフォース兵器開発主任の兵藤巌役として演じていたが、今作はGフォースのメンバーではなく、別人役として出演。
当初、細川俊之が演じていたが(細川が出演したバージョンの予告編がある)、急病により途中降板している。

映像ソフト化編集

  • DVDは2002年8月21日発売。
  • 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。
  • 2008年5月23日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションV」に収録されており、単品版も同時発売。
  • BDは2010年1月22日発売。

その他 編集

  • 本作の初期案は、初代ゴジラの生体エネルギーが幽霊のような「ゴーストゴジラ」として出現。ゴジラと戦い、ゴジラは倒されるが、ゴーストゴジラはジュニアによって倒される、というものだった。実体のない怪獣という見せ方としては面白い見せ方も考えられた。元々ゴジラのバリエーションが割と成功していたために企画されたのだが、やはり3作もゴジラとゴジラのバリエーション怪獣が戦う作品が連続するのはよろしくない上(前作と前々作はそれぞれスペースゴジラメカゴジラという、いずれもゴジラのバリエーション怪獣との対決ものになっていた)、実体のないものに感情移入はしにくいのではないかということで不採用となっている。ちなみに、この脚本を持ってきたのは川北紘一曰く、富山省吾プロデューサーだったらしい。
  • ゴジラのメルトダウンとデストロイアに相当するバルバロイという新怪獣が登場する企画は川北組のとある人物が考えたとされる。川北サイドではゴーストゴジラ案が没案となったことを受け、それなら「ゴジラを死なせる」ことを考え、唯一ゴジラを葬り去った兵器・オキシジェン・デストロイヤーでも死ななかった最強の生物・デストロイアと戦わせるというプロットが生まれたという。田中友幸はゴジラを死なせることに反対したそうだが、また復活することを前提に「ゴジラ死す」という企画が認められたとのこと(『ゴジラ・デイズ』に所載。集英社ISBN 4-08-748815-2)。なお、このインタビュー記事で川北は『ゴジラvsスペースゴジラ』でゴジラを死なせた方がいいと考えていたことも明かしている。
  • 初期の『ゴジラvsゴーストゴジラ』という企画だった頃には、ゲスト怪獣としてアンギラスの登場が検討されておりデザイン画も描かれていた。また企画段階でデストロイアがバルバロイと呼ばれていた頃には、バルバロイの一形態としてアンギラス型の怪獣の登場も検討されていた。[2]
  • ゴジラvsモスラ』まで参加した大森一樹は、ゴジラで描ける事がある限りは参加するとしていたが、今回川北・大河原両人に口説かれ、ゴジラの死を描く事に賛同し参加を決めた。プロットのやり取りは大森が海外にいてもなお、FAXによって続けられた。大森は阪神・淡路大震災にて被災した事で、火災鎮火のために冷凍レーザーを考案したそうである。
  • デストロイアの形態に関して、完全体だけ(実際は前身の「飛翔体」も含む)いわゆる怪獣の姿なのは、製作サイドの事情としてはスポンサーバンダイの「最終形態だけは怪獣の姿にして欲しい」という要請によるものである。バンダイは作品自体には発光する「バーニングゴジラ」の着ぐるみのための透明素材やデストロイア集合体のソフトビニール人形(群れのシーンに使われている)を大量に提供している。
  • 劇中、篠田三郎演ずる国友満が林泰文演ずる山根健吉にGサミットへの参加を依頼。当初参加を拒んでいた健吉が、密かに思いを寄せていた小高恵美演ずる三枝未希がメンバーだという事を知ると、参加を快諾するというシーンがある。このシーンの直後、部屋の棚に三枝の写真立てが映る。
  • 小学館コミックス『名探偵コナン』の第13巻の表紙において、東京港湾部の自衛隊vsデストロイア(幼体)の撮影ミニチュアが掲載されているが、これは作者の青山剛昌が東宝に使用要請を行い許可が下りたためである。要請理由は、コナン作中の『大怪獣ゴメラ』(ゴジラとガメラを掛け合わせた風貌のパロディ怪獣)製作現場で発生する殺人事件と表紙を関連させるためであったとアシスタントが語っている。
  • 羽田空港でのバトルシーンでは駐機場に映っているのは架空の航空会社の飛行機(もちろん模型)ばかりだが、シーンラストのデストロイアがゴジラを滑走路に引きずる部分になると一転して実在する全日空日本航空の飛行機が映る(この部分だけ実写との合成のため)。

脚注 編集

  1. 特殊急襲部隊ことSAPが相当するのだが、この時期には公になっていなかった。翌1996年にSATとして正式に発足した。
  2. 「平成ゴジラ クロニクル」キネマ旬報社、2009年、P197

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