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ゴジラVSキングギドラ
Godzilla vs. King Ghidora
200px
監督 大森一樹(本編)
川北紘一(特撮)
脚本 大森一樹
製作 林芳信
西野一夫
製作総指揮 田中友幸
出演者 中川安奈
豊原功補
小高恵美
原田貴和子
佐々木勝彦
ロバート・スコット・フィールド
チャック・ウィルソン
リチャード・バーガー
西岡徳馬
小林昭二
土屋嘉男
音楽 伊福部昭
編集 池田美千子
配給 東宝
公開 日本の旗1991年12月14日
上映時間 103分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 ゴジラvsビオランテ
次作 ゴジラvsモスラ
  

ゴジラvsキングギドラ』(ゴジラたいキングギドラ、または、ゴジラ ブイエス キングギドラ)は1991年12月14日に公開された日本の特撮映画ゴジラシリーズの第18作である。東宝創立60周年記念作品でもある。観客動員数は270万人。配給収入は14億5千万円。第15回日本アカデミー賞特別賞(特殊技術賞)受賞作品。キャッチコピーは「世紀末、最大の戦いが始まった」、「お前だけには絶対負けない!」。

作品の特徴 編集

前作の成功を受けて、当初はモスラが主演である『モスラVSバガン』が企画されたが、上層部がゴジラのほうが成績が良いと判断し、昭和ゴジラシリーズの人気怪獣であるキングギドラと1972年公開のシリーズ第12作『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』以来19年ぶりの対決が描かれる作品となった。改題再上映版ではないオリジナル作品のタイトルとしてはじめて「キングギドラ」が冠されている。ゴジラは本作で前作の体長80メートルから100メートルに巨大化した。

登場する怪獣はゴジラキングギドラメカキングギドラ。主要襲撃地点はラゴス島、福岡札幌広島瀬戸大橋東京新宿)。特に新宿での最終決戦は、当時完成したばかりの東京都庁を舞台にバトルを展開し破壊、大きな話題となった。

メカゴジラの逆襲』以来16年ぶりに音楽を伊福部昭が担当、ゴジラのテーマ曲が前面に押し出されたほか、キングギドラのテーマ曲や『宇宙大戦争』『キングコング対ゴジラ』で用いられたBGMが伊福部自らによる編曲を経て再び用いられている。例外的に、戦闘機がキングギドラを迎撃するシーンで、前作の『ゴジラvsビオランテ』同様にアルバム『OSTINATO』から「ラドン追撃せよ」が流用されたが、これは監督の意図が自衛隊主体のシーンだったのに対して伊福部がギドラの主題を用意していたため、新たに作曲し直す時間がなかったことによる措置。

また東宝特撮映画の顔である土屋嘉男が『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』以来21年ぶり(ゴジラシリーズでは『怪獣総進撃』以来23年ぶり)に、佐原健二が『メカゴジラの逆襲』以来16年ぶりに出演している。さらに、『仮面ライダーシリーズ』の立花藤兵衛役で著名な小林昭二がゴジラシリーズに初出演した。

DVDの大森一樹のコメントによれば、23世紀の日本の増長や一企業の原子力潜水艦の所有などは、当時バブル経済真っ只中の日本がどこまで肥大化するかわからないことに対する不安と警鐘の意味合いがあったという。ただし、ちょうど公開の時期を境にして日本はバブル崩壊により長期の不況に突入したので、現在の視点から見るとなかなか実感が沸きにくいものとなっている。また、一部台詞で23世紀でもソ連があることになっているが、劇場公開と同時期にソ連が崩壊したため、そのまま使われている[1]

物語は、タイムトラベルをして過去に行きゴジラ誕生の歴史を変えようとするなど、ゴジラシリーズの中でも意外性に満ちている。また、ゴジラが放射能を浴びて怪獣になる前の「ゴジラザウルス」という恐竜も登場、ゴジラ誕生の秘密が明らかになっている。

特にこの作品は東宝特撮で初めてタイムトラベルがストーリーの鍵となっている事が最大の特色であるが、タイムパラドックスに矛盾が多く、その点において批判もある。後にタイムトラベルストーリーは、大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズからアイディアを流用したと関係者は語っている。本作はこのほかにも、「人間そっくりのアンドロイド」や「「スピルバーグ少佐」なる人物の登場」などアメリカのSF映画からアイディアを流用した場面も多岐にわたり見受けられる。


テンプレート:ネタバレ

ストーリー 編集

1992年、突如東京上空に巨大なUFOが飛来した。後日、富士山麓に着陸したUFOからメッセージが届き、中からウィルソン、グレンチコ、エミーと名乗る3人の人物が姿を現す。彼らの言い分によると、自分達は23世紀の地球連邦政府の者であり、21世紀に復活したゴジラによって、日本が壊滅的打撃を被る前にゴジラを抹殺する目的でやって来たのだという。

彼らはノンフィクションライターである寺沢健一郎が著書『ゴジラ誕生』の中で記した、「ラゴス島という島に生息していた恐竜が、1954年ビキニ環礁で行われた核実験によりゴジラへと変異した」という仮説に基づき、そこから恐竜を別の場所に移動させてゴジラを誕生させないようにするという計画を立てた。

未来人のエミー、アンドロイドのM-11と共に寺沢、三枝未希、大学教授の真崎らも1944年マーシャル諸島・ラゴス島へと赴き、戦時中の日本軍ラゴス島守備隊(後に一大企業を立ち上げる新堂靖明が指揮)をアメリカ軍から救った1頭の恐竜(ゴジラザウルス)を目撃する。恐竜は未来人達の手によって、ベーリング海へと転送される。これでもうゴジラが誕生することはないと考えられた。

しかし、寺沢達が1992年に戻って来ると、ゴジラの消滅と同時に太平洋にキングギドラが出現したと聞かされる。その裏には未来人の陰謀があった。

この危機に日本は、かつてゴジラに助けられた新堂を中心として、ゴジラを復活させるべく原子力潜水艦をゴジラザウルスが転送されたベーリング海へと派遣した。しかし、既にゴジラザウルスは原子力事故によりゴジラとなっており、原潜の破壊によりゴジラは以前より更に強力な怪獣へと変化を遂げていたのだった。

登場人物 編集

エミー・カノー
本作の主人公の一人。23世紀・地球均等環境会議の穏健派メンバー。日本人女性で、1992年に MOTHER でウィルソンやグレンチコらと共にタイムワープしてやって来た。当初は現代人への警告名目でウィルソン達に同行し、ゴジラを抹殺する作戦に協力した。しかし、新たに出現させたキングギドラで、現代の日本を攻撃して国力を消耗させようとするウィルソン達に反発し、寺沢達に協力する。自分を力ずくで連れ戻そうとしたM11に野次をぶつけまくりながら追い払おうとしたり、ラストでメカキングギドラに乗り込んでゴジラに戦いを挑む等、気丈でアクティブな女性である。実は、寺沢の子孫である。
寺沢健一郎
本作の主人公の一人。ノンフィクションライター。太平洋戦争時代に恐竜を見たというネタを追っていくうちに、ゴジラ誕生の仮説を立て、それを『ゴジラ誕生』という本で出版しようとする。その為、今回の一件に深く関わっていく。都会の外れに、自らが書いた超能力の本での収入で建てた一軒家に住んでいる若き青年ライターだが、ウィルソンを殴り合いで倒す程喧嘩の腕っ節も強い。
三枝未希
前作にも登場した超能力者。本作では、国立超科学研究センターのゴジラチームに出向している。ビオランテとの戦いで日本海に追われたゴジラを2年以上監視し続けていた。今回はゴジラ監視だけでなく、1944年のラゴス島へエミーや寺沢達と共にタイムワープしゴジラザウルスを目撃するという壮絶な体験をする。超能力使用は少なかったが、今作でもベーリング海でうごめくゴジラを感知している。
森村千晶
雑誌『ムー』の編集記者。寺沢の恋人。寺沢と共に、真崎や新堂の元を尋ね取材を行った。ゴジラやキングギドラの一連の騒動には直接関わっていないが、ラストシーンで23世紀へ帰るエミーが乗る KIDS を寺沢と2人で見送った。
真崎洋典
古生物学者。恐竜生存説を提唱する大学教授でもあり、恐竜を専門とする。寺沢の取材を受けた為、寺沢や未希と共にゴジラ抹殺作戦に参加する事となる。その後も、国立超科学研究センターに出向き協力する。
M11
アンドロイド。見た目は表情まで変えられる外国人だが、機械の操作、戦闘等で人間を大きく超えた能力を発揮する。英語と少々片言の日本語で会話する。表面は焼かれるが、炎の中でも活動可能。物語前半では、ウィルソン側のメンバーだったが、途中エミーの手でプログラムディスクを交換され、彼女の力強い仲間となる。終盤では、その AI のみがメカキングギドラのコクピットである KIDS の操縦席に搭載された。
池畑益吉
博多で焼き鳥屋台「らごす」を営む老人。太平洋戦争中は新堂の部下の日本兵で、ラゴス島でゴジラザウルスに遭遇した。その時の経験を博覧会・『恐竜ワールド』で勝手に演説した事で寺沢の取材を受ける。
林田
内閣総理大臣。
瀬川隆之
防衛庁長官。キングギドラやゴジラ対策に参加する。
統幕議長
陸上 海上 航空幕僚長
内閣安全保障室に新設されたGルームに参加。次回作『ゴジラvsモスラ』にも登場する。
ウィルソン
23世紀人で地球均等環境会議の過激派メンバー。20世紀の日本の国力を消耗させる作戦を遂行する為、地球連邦機関の MOTHER を奪い、1992年にグレンチコ達と共にやってきた。日本の将来を救う為と偽りゴジラを抹殺した後、自分達が操るキングギドラで日本を攻撃。最期は、エミー達に殴り飛ばされた後、 MOTHER ごと網走のゴジラの目前に転送され、熱線で吹き飛ばされ死亡。
グレンチコ
23世紀人で地球均等環境会議の過激派メンバー。ウィルソンの相棒的存在で、彼らと共にキングギドラを操る。ゴジラ復活を知り、現代人類を「愚かな時代、救いようのない原始人どもだ」と皮肉をこぼした。最期はウィルソンと共に、MOTHER ごとゴジラの熱線で吹き飛ばされ死亡。
M101 M102
双子型の西洋人風アンドロイド。ウィルソンらの指揮の下、MOTHER やキングギドラをコントロールする。エミー達との乱闘で M11に投げ飛ばされ2体揃って破壊されてしまう。
モールズ
23世紀・地球連邦機関代表。歴史が改変した未来で、エミー達とともにベーリング海に沈んだキングギドラの調査・引き上げに赴き、エミーの20世紀の日本を助けるためにキングギドラをサイボーグ化するという願いを了承する。
土橋竜三
内閣安全保障室室長。保障室内にGルームを再編成した中心人物で、想像を超える2大怪獣の対策に就く。キングギドラに対抗する為、ゴジラを再び誕生させてはと提案してしまう一幕もあったが、自身で決行する事はなかった。次回作、『ゴジラvsモスラ』では国家環境計画局に出向する。
藤尾猛彦
国立超科学研究センター所長。物理学者でもあり、突如出現した MOTHER に対する会議に参加した事で、内閣安全保障室に協力する。ゴジラが復活しキングギドラを一度倒した後は、Gルームを退席するが、一連の事件を寺沢達と最後まで見送った。
新堂靖明
帝洋コンツェルン会長。太平洋戦争中は日本軍少佐、ラゴス島守備隊隊長だった。その時アメリカ軍の前に全滅寸前だったが、現れたゴジラザウルスがアメリカ軍を蹴散らした為事実上救われ、ラゴス島撤退直前には、傷ついたゴジラザウルスに謝罪と感謝の言葉と敬礼を送った。日本に帰国後、帝洋コンツェルンを創設し日本を大きく発展させたが、自らの企業に原子力潜水艦を所有させてしまう等かなりやり過ぎてしまっていた。キングギドラ対抗にゴジラを復活させるため、前述の原潜をいち早くベーリング海へ向かわせる。自分を救った恐竜を「救世主」と呼び、半ば神聖視していた。新宿の本社ビルに一人残ってゴジラと再会。見つめ合い、幾度かの頷きの後、ゴジラの熱線を受け死亡。

スタッフ 編集

本編 編集

特殊技術 編集

特殊視覚効果 編集

協力 編集

キャスト 編集

映像ソフト化編集

  • DVDは2002年2月21日発売。
  • 2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。
  • 2008年4月25日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションIV」に収録されており、単品版も同時発売。
  • BDは2009年11月20日発売。

余談 編集

  • 避難する住民のシーンに、一部過去の作品の映像が流用され組み込まれている
    • キングギドラが福岡を攻撃し、避難するシーン…1989年公開の『ゴジラvsビオランテ』でゴジラが大阪を襲う可能性が高まり避難するシーンの一部。
    • ゴジラが札幌を襲う可能性が高まり避難するシーン…1984年公開の『ゴジラ』でソ連の衛星から誤って核ミサイルが新宿へ向けて発射されたため地下へ避難するシーンの一部。
    • キングギドラが中京の石油コンビナートを破壊するシーン…『東京湾炎上』の流用。該当シーンは元々絵コンテに存在しなかったが、逆に絵コンテにはゴジラが東京湾に上陸して、コンビナートを破壊するシーンが存在する(こちらは撮影されていない)。
    • ゴジラが札幌の市街地で92式メーサー戦車を熱線で破壊するシーンに一部『ゴジラvsビオランテ』の流用映像が使用されている。
  • 予算の都合でビルが爆散するシーンの一部は石膏板に引き伸ばしたビルの写真を貼ったものを爆破しているが、件のキングギドラの引力光線のカットは映画のヒット後に新たに作られたテレビの宣伝でもオンエアされた。
  • 新宿のビル群での決戦シーンでは新宿住友ビルがない(実写のシーンではもちろん存在している)。
  • この映画に関しては、予想以上のヒットであったらしく、公開後にも新たな宣伝が行われ、前述のテレビのキングギドラの都市破壊シーンをメインにしたCMの他に新聞に掲載された、寺沢とエミーが銃を構える、怪獣映画には珍しい人間がメインのSF映画風の広告(モノクロ)も作られた。
  • 巨大企業帝洋コンツェルンが極秘所有していた原子力潜水艦「むさし2号」は当初新造される予定だったが、こちらも予算の都合により、1984年公開の『ゴジラ』で使用されたソ連原子力潜水艦を若干修正し再利用された。
  • 写真ポスターのゴジラとキングギドラの瞳は色が暗かったので描き加えられている。元々はゴジラの生物感を出す為に前作から引き続いて、白目が分かりにくくなっていたが、それがきっかけとなり次作以降のゴジラは虹彩が明るく、瞳が分かりやすい様に造形されるようになった。
  • 現在の航空自衛隊主力戦闘機F-15Jは前作『ゴジラvsビオランテ』にも登場はしたが、ヨウ化銀を撒いて人工雨を降らせるのみだったためシリーズ初の戦闘を行うこととなる。中盤の要撃シーンの実写部分にはまた前年に公開された航空自衛隊が舞台の映画『BEST GUY』のフィルムが一部流用されている。
  • 当初の設定では、水爆実験の影響によりゴジラとなる恐竜はゴジラザウルスでは無く、ティラノサウルスであった。
  • 映画公開前にゴジラの撮影用着ぐるみが盗まれる事件が起きているが幸い撮影はその時点で完了していたので製作に影響は出なかった。
  • 本作のラゴス島での米軍描写について米国の退役軍人団体などからクレームがついた[2]ほか、ゴジラ誕生の理由をアメリカの水爆実験と明言している点、さらに当時貿易摩擦で悪化していた対日感情からアメリカの配給会社も難色を示し、劇場公開されないどころか英語版すら製作されなかった[3]テンプレート:要出典範囲本作が米国で公開・ソフト化されたのは1998年になってからである。
  • 当初は破李拳竜がゴジラザウルス役で福田亘がキングギドラ役の予定だったが福田の身長が高すぎてギドラのスーツの背丈が合わず逆になった。
  • ラゴス島でのゴジラザウルスの鳴き声はラドンの鳴き声を歪ませたものであるが、何故かアメリカ戦艦の砲撃で苦しむ時の鳴き声がガメラの鳴き声になっている。

コミカライズ 編集

小学館 てんとう虫コミックススペシャル- 脚本:大森一樹、作画:坂井孝行

ストーリーは映画とほぼ同じだが、三枝美希及び新堂を始めとしたラゴス島守備隊関係者は登場せず、前作の主要登場人物である黒木特佐が登場する。

参考文献 編集

  1. ゴジラの特番で大森自身が時事的なものとして、自らネタにしている。
  2. ウィリアム・M・ツツイ:著 神山京子:訳『ゴジラとアメリカの半世紀』 中央公論新社 ISBN 978-4-12-003677-4 2005年
  3. デビット・キャリシャー「社会的に観たゴジラ映画 -日米を通して-(上)」 『福岡市総合図書館研究紀要』第4号 2004年

外部リンク 編集

テンプレート:ゴジラの映画 テンプレート:ゴジラ

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