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インビクタス/負けざる者たち
Invictus
監督 クリント・イーストウッド
脚本 アンソニー・ペッカム
製作 ロリー・マクレアリー
ロバート・ロレンツ
メイス・ニューフェルド
クリント・イーストウッド
製作総指揮 モーガン・フリーマン
ティム・ムーア
ゲイリー・バーバー
ロジャー・バーンボーム
音楽 カイル・イーストウッド
マイケル・スティーヴンス
撮影 トム・スターン
編集 ジョエル・コックス
ゲイリー・D・ローチ
配給 ワーナー・ブラザーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2009年12月11日
日本の旗 2010年2月5日
上映時間 132分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $60,000,000[1]
興行収入 $121,575,242[1]
  

インビクタス/負けざる者たち』(原題:Invictus)は、2009年アメリカ映画(日本では2010年公開)。

インビクタスとは、「征服されない」「屈服しない」など、不屈を表すラテン語の言葉。

ストーリー 編集

舞台は1994年南アフリカ共和国ネルソン・マンデラは反体制活動家として27年ものあいだ投獄されていたが、1990年に釈放されこの年に同国初の黒人大統領となった。それまで政府の主要ポストを占めていた白人官僚たちは、マンデラが報復的な人事をするのではないかと恐れ一部のものはそれを見越して荷物をまとめ始めていたが、マンデラは初登庁の日に職員たちを集めて「辞めるのは自由だが、新しい南アフリカを作るために協力してほしい。あなたたちの協力が必要だ」と呼びかけた。職員たちは安堵し、マンデラのもとで働くことにした。ボディーガードチームも、予想に反して黒人と白人の混成チームとなった[2]

一方、南アフリカ代表のラグビーチーム「スプリングボクス」は当時低迷期にあり、黒人選手もわずか1人しかいなかったため、ラグビーはアパルトヘイトの象徴として黒人の国民のあいだでは非常に不人気なスポーツだった。政府内では「スプリングボクス」のチーム名やユニフォームの変更を求める意見が多数を占めており、一時はその方向で決まりかけた。しかしマンデラはこのチームが南アフリカの白人と黒人の和解と団結の象徴になると考え、チーム名とユニフォームの存続を求め周囲を説得[3]、一方でチームの主将フランソワ・ピナールを茶会に招いて言葉を交わし、励ました。

その後スプリングボクスのメンバーたちはマンデラの意向で、貧困地区の黒人の子どもたちにラグビーの指導に赴かされ、メンバーたちは当初それを不満に感じていた。しかし一連の地道な活動により、国民のあいだでチームの人気は少しずつ高まり、メンバーたちも自分たちの存在が国内のみならず世界的に注目されていることを知るに至った。

そしてスプリングボクスは自国開催の1995年ラグビーワールドカップにおいて予想外の快進撃を見せ、ついに決勝進出を果たす。今や新生南アフリカの象徴として見られるようになったスプリングボクスは全南アフリカ国民が見守るなか、強豪ニュージーランド代表オールブラックスとの決勝戦が始まる…。

当時の南アフリカ国内におけるラグビー 編集

当時南アフリカでは、英国発祥のラグビーは白人もしくはある程度の地位を獲得した富裕層の行なうスポーツであるという印象が強く、一方の黒人は複雑なルールがなく値段の高い道具も要らないサッカーを支持していた。劇中では冒頭、白人の観客は南アフリカを応援しているが黒人は敵のチーム(イングランド代表)を応援しているシーンが描かれている。またラグビーはトライ5点(当時4点)、ドロップペナルティーゴール3点、コンバージョンゴール2点と複雑な得点方法のうえ、ルールも理解するには容易ではなく、教育水準の低い貧困層には受け入れられにくいものとなっていた。

「国の恥」とまで言われるほど南アフリカラグビー代表のテストマッチでの成績は悪かった。長く南アフリカが受けた経済制裁国際社会からの追放の影響で国際試合の出場機会はなく、ラグビーワールドカップの第1回大会、第2回大会は不参加で、チーム力は極端に弱体化していた。正確には世界ランキングトップ10入りはしているもののトップレベルでは低い位置にあり、W杯開催国であるのにもかかわらず優勝どころか決勝トーナメントにも進出するのは難しいとの評価を受けていた。

代表チーム30人の選手はほとんどが白人であり、黒人のメンバーはチェスター・ウィリアムズ1人であったが、チェスターはスプリングボクス史上初の黒人選手として、白人と黒人の融和の象徴となった。

劇中におけるアパルトヘイト 編集

アパルトヘイトという言葉がよく劇中に使用されている。意味は黒人・白人・その他の人種の混血を避けるため、それぞれの人種を隔離・分離し、異人種間の結婚を認めないなどの人種隔離政策である。1948年に南アフリカ共和国で法律化、国際社会からの批判とともに、経済制裁、南アフリカとの貿易封鎖など、国内経済の悪化が日増しに強くなるのを受け、1994年に人種隔離政策を撤廃。これにより全人種が例外なく選挙権を享受するようになった。

本作品の冒頭では、1990年当時、道路を挟んで片方の整備されたグラウンドで富裕層の白人たちがラグビーの練習している一方、もう片方の土のグランドでは貧困層の黒人たちが裸足でサッカーをしている。両方のグランドには柵が設けており、互いに行き来できないようにしてあるという、アパルトヘイトの象徴であるシーンから始まる。

南アフリカラグビー代表のユニフォームは金と緑を基調としており、通称はスプリングボクス(国内での愛称はボカ)と呼ばれていたが、マンデラ政権誕生と代表チームの国際テストマッチでの連敗を機会に、黒人代表者たちがスポーツ協会での会議で、「チームカラーと愛称はアパルトヘイトの象徴である」との認識による変更を全会一致で決定するシーンがある。そのときマンデラが登場し、黒人代表者たちに盛大に迎え入れられるのだが、マンデラは「今まで我々は白人たちに脅かされた。しかし我々は白人たちを協力する寛容の心で迎えるのだ」と会議参加者との意見の差異あるスピーチを行い、変更を阻止した。

モーガン・フリーマンとネルソン・マンデラ本人の関係 編集

ネルソン・マンデラ自伝『自由への長い道』が出版された際、記者の「映画化されるとしたら誰に演じてもらいたいか」との質問にマンデラはモーガン・フリーマンの名前を挙げた。それをきっかけに、フリーマンはヨハネスブルグにあるマンデラの自宅への南アフリカのプロデューサーを通じての訪問を実現した。そしてフリーマンは自伝の映画化権を買い、本作品の制作を決定した。

クリント・イーストウッドへの監督依頼 編集

モーガン・フリーマンとクリント・イーストウッドが組むのは『許されざる者』(1992年)『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)そして本作品の3回目となる。フリーマン自身が本作品の脚本をイーストウッドに送り、監督を依頼した。後日イーストウッドが「是非やりたい」と快諾した。その時の出来事をフリーマンは「クリントを説得したのは私じゃなく、その脚本さ」と笑いながら話している。

キャスト 編集

役名 俳優 日本語吹替
ネルソン・マンデラ モーガン・フリーマン 坂口芳貞
フランソワ・ピナール マット・デイモン 加瀬康之
ジェイソン・シャバララ トニー・キゴロギ 白石充
リンガ・ムーンサミ パトリック・モフォケン 乃村健次
ヘンドリック・ボーイェンズ マット・スターン 長嶝高士
エチエンヌ・フェデー ジュリアン・ルイス・ジョーンズ
ブレンダ・マジブコ アッジョア・アンドー
ネリーン マルグリット・ウィートリー
メアリー レレティ・クマロ
ピーナール パトリック・リスター
ピーナール夫人 ペニー・ダウニー
ジョエル・ストランスキ スコット・イーストウッド
ジョナ・ロムー ザック・フュナティ
ルーベン・クルーガー グラント・L・ロバーツ

脚注 編集

  1. 1.0 1.1 Invictus (2009). Box Office Mojo. 2010年4月5日閲覧。
  2. それはマンデラが民族融和のメッセージを打ち出すに当たって、自分のボディーガードチームが白人と黒人の両方が所属していなければいけないと思っていたからだった。
  3. マンデラは腹心が止めたにもかかわらず議場に直行し、白人達が愛するものを取り上げるような復讐的行為は国のためにならないと熱く説いた。

2,『INVICTUS』(日本版映画パンフレット) 発行・松竹株式会社事業部

関連項目 編集

外部リンク 編集


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