インセプション | |
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Inception | |
監督 | クリストファー・ノーラン |
脚本 | クリストファー・ノーラン |
製作 |
エマ・トーマス クリストファー・ノーラン |
製作総指揮 |
クリス・ブリガム トーマス・タル |
出演者 |
レオナルド・ディカプリオ 渡辺謙 ジョゼフ・ゴードン=レヴィット マリオン・コティヤール エレン・ペイジ トム・ハーディ キリアン・マーフィー トム・ベレンジャー マイケル・ケイン |
音楽 | ハンス・ジマー |
編集 | リー・スミス |
製作会社 |
レジェンダリー・ピクチャーズ シンコピー・フィルムズ |
配給 | ワーナー・ブラザーズ |
公開 |
2010年7月13日 (ロンドン・プレミア) 2010年7月16日 2010年7月23日 |
上映時間 | 148分 |
製作国 |
アメリカ合衆国 イギリス |
言語 | 英語 |
製作費 | $160,000,000[1][2] |
興行収入 |
$823,576,195[2] 35.0億円[3] |
『インセプション』(原題: Inception)は、クリストファー・ノーラン監督・脚本・製作による2010年のアメリカのSFアクション映画。
ストーリー[]
テンプレート:ネタバレ 主人公のドム・コブは、人の夢(潜在意識)に入り込むことでアイディアを“盗み取る”特殊な企業スパイ。そんな彼に、強大な権力を持つ大企業のトップのサイトウが仕事を依頼してきた。依頼内容はライバル会社の解体と、それを社長の息子ロバートにさせるようアイディアを“植えつける(インセプション)”ことだった。極めて困難かつ危険な内容に一度は断るものの、妻モル殺害の容疑をかけられ子供に会えずにいるコブは、犯罪歴の抹消を条件に仕事を引き受けた。
古くからコブと共に仕事をしてきた相棒のアーサー、夢の世界を構築する「設計士」のアリアドネ、他人になりすましターゲットの思考を誘導する「偽装師」のイームス、夢の世界を安定させる鎮静剤を作る「調合師」のユスフをメンバーに加えた6人で作戦を決行。首尾よくロバートの夢の中に潜入したコブ達だったが、直後に手練の兵士たちによって襲撃を受けてしまう。これはロバートが企業スパイに備えて潜在意識の防護訓練を受けており、護衛部隊を夢の中に投影させていた為であった。インセプション成功の為に更に深い階層の夢へと侵入していくコブたち。次々と襲い来るロバートの護衛部隊に加え、コブの罪悪感から生み出されたモルまでもが妨害を始めた。さらに曖昧になる夢と現実の狭間、迫り来るタイムリミット、果たしてインセプションは成功するのか。 テンプレート:ネタバレ終了
キャスト[]
役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | 備考 |
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ドム・コブ | レオナルド・ディカプリオ | 内田夕夜 | 本名はドミニク・コブ(Dominic Cobb)であり、ドムはドミニクの愛称である。ディカプリオは製作にあたりまず初めにキャスティングされた[4]。 |
サイトウ(斉藤) | 渡辺謙 | 渡辺謙 | 「バットマン ビギンズ」に次いでノーラン作品に参加。直接ノーランに電話で出演依頼を受け、即承諾したという[5]。バットマン・ビギンズと違い、日本語吹き替えも渡辺謙本人が担当する。 |
アーサー | ジョゼフ・ゴードン=レヴィット | 土田大 | 当初アーサー役にはジェームズ・フランコがキャスティングされていたが、スケジュールが合わず降板[6]。しかし代役ながらアカデミー助演男優賞に相応しいと評論家に推される[7]までの存在感を見せた。 |
モル・コブ | マリオン・コティヤール | 五十嵐麗 | 本名はマロリー・コブ(Mallorie Cobb)であり、モルは愛称。モル(Mal)とはラテン語で「悪」を意味する[8]。 |
アリアドネ | エレン・ペイジ | 冠野智美 | 「アリアドネー」とはテーセウスをミーノータウロスの迷宮から助け出した女神の名前であり[9]、映画の暗喩を思わせる。 |
イームス | トム・ハーディ | 咲野俊介 | イームスが登場するアフリカの街は、劇中ではケニアのモンバサになっているが、撮影されたのはモロッコのタンジェである[10]。 |
ユスフ | ディリープ・ラオ | 木村雅史 | |
ロバート・フィッシャー | キリアン・マーフィー | 三木眞一郎 | バットマンシリーズではスケアクロウ役で登板。マーフィーは今作が3作目のクリストファー・ノーラン作品となる。 |
ピーター・ブラウニング | トム・ベレンジャー | 石塚運昇 | |
モーリス・フィッシャー | ピート・ポスルスウェイト | 丸山詠二 | |
ナッシュ | ルーカス・ハース | 川中子雅人 | |
マイルス教授 | マイケル・ケイン | 小川真司 | バットマンシリーズ2作、『プレステージ』に続きケインは4作目のノーラン作品登板となった。 |
ブロンドの女 | タルラ・ライリー | にしおかすみこ | 吹き替え版でのにしおかすみこの起用は渡辺謙からの指名であり、にしおかが出演している「紳助社長のプロデュース大作戦!」で直接伝えられた。 |
吹き替え版キャストは劇場・ビデオ版共通。字幕/吹き替えとも翻訳はアンゼたかし。吹き替え版演出は『バットマン ビギンズ』も手掛けた小山悟が担当した。
製作[]
クリストファー・ノーランが10年ほど前から構想を練っていた脚本であり、イギリス系アルゼンチン人の作家であるホルヘ・ルイス・ボルヘス著「伝奇集」の短編「The Circular Ruins(円鐶の廃墟)」や「The Secret Miracle(隠れた奇跡)」から着想を得たという[11][12]。 2009年2月11日、ワーナー・ブラザーズよりノーランから本作の脚本を購入したことが発表される[13]。同年6月19日に東京で製作が始まり、ロサンゼルス、ロンドン、パリ、タンジェ、カルガリーなど世界各所で撮影が行われた[14]。東京では、新幹線車内での撮影やヘリの空撮、都内の高層ビルのヘリポートでの撮影が行われた。主要な撮影は7月13日より開始された[15]。7月15日には、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの図書館で撮影が行われた。図書館の標識はフランス語に変更された[16]。8月17日、セーヌ川のビル・アケム橋周辺で撮影が行われた[17][18]。また、8月24日にはモロッコで撮影された[19]。9月27日からはロサンゼルスで撮影が始まった。
音楽[]
テンプレート:Infobox Album 本作の音楽はハンス・ジマーが手掛け、ノーランとは『バットマン ビギンズ』、『ダークナイト』に次ぐ通算3回目のコラボレーションとなった。 ジマーによると「とてもエレクトロニックなスコア」であるという[20]。作中でのギターを元ザ・スミスのジョニー・マーが担当している[21]。
またコブ達は夢から現実に戻る際の合図として、エディット・ピアフの『水に流して』(Non, je ne regrette rien)を使用している。モル役のマリオン・コティヤールが2007年にエディット・ピアフの伝記映画で主演しているが、それより前に脚本で曲を使用することが決まっていた[21]。
ジマーによる劇中音楽を抜粋したサウンドトラック盤が、映画公開直前となる2010年7月13日にアメリカで発売された。日本盤は8月4日にワーナーミュージック・ジャパンより発売された。 テンプレート:Tracklist
ボーナストラック(ダウンロード配信) [22] テンプレート:Tracklist
公開[]
予告編は、2009年8月の『イングロリアス・バスターズ』で第1弾、12月の『シャーロック・ホームズ』で第2弾、2010年5月の『アイアンマン2』で第3弾が公開された。2010年7月8日にロンドンのレスター・スクウェアでワールド・プレミアが行われ[23]、7月16日よりアメリカのIMAXシアターと従来の劇場の両方で一般公開された[24][25]。日本では同月15日に東京国際フォーラムで特別試写会[26]、2日後の17日より3日間の先行上映が行われ、1週間遅れとなる23日より一般公開される。
宣伝[]
2010年春より、ポスター、広告、ウェブサイトを利用したバイラル・マーケティングが開始された[27][28]。ワーナー・ブラザーズによると宣伝費は1億ドルである[29]。日本では、7月7日午後7時7分に全国35都道府県136カ所の街頭ビジョン、電機店舗のモニター、交通機関の車内モニターを使った映像ジャックが行われ、ディカプリオ、渡辺謙、ノーランの3名による緊急声明映像が流された[30]。 キャッチコピーは、「お前の頭へ侵入する。」、「犯罪現場は、お前の頭の中。 (YOUR MIND IS THE SCENE OF THE CRIME.)」、「ディカプリオがお前の頭へ侵入する。」、「渡辺謙がお前の頭へ侵入する。」。
興行収入[]
北米の公開初週末3日間で6,280万ドルを稼ぎだした。これはレオナルド・ディカプリオ主演作では過去最高のオープニングであり[31]、またSF映画としてジェームズ・キャメロン監督の『アバター』につぐ史上2番目のオープニング記録となった[32]。2週目もアンジェリーナ・ジョリー主演の『ソルト』を引き離し、首位[33]。同様に3週目も首位を維持した[34]。
批評家の反応[]
Rotten Tomatoesによると、87%が本作に対し肯定的な評価を下し、平均点は8.0となった[35]。またMetacriticでは、38のレビューで平均点が100点満点中76点であった[36]。
英国の『エンパイア』誌では5つ星映画に認定され、「ウィリアム・ギブソン作品を脚色したスタンリー・キューブリック映画のようだ」と評された[37]。
受賞歴[]
詳細はインセプションの受賞とノミネートの一覧を参照
参考文献[]
- ↑ Boucher, Geoff(2010年4月11日). “Christopher Nolan's Inception -- Hollywood's first existential heist film”. Los Angeles Times 2010年5月5日閲覧。
- ↑ 2.0 2.1 “Inception (2010)” (英語). Box Office Mojo. 2011年1月21日閲覧。
- ↑ 日本映画製作者連盟 2010年全国映画概況
- ↑ Weintraub, Steve(2010年3月25日). “Christopher Nolan and Emma Thomas Interview”. Collider 2010年4月6日閲覧。
- ↑ (パンフレットより抜粋)
- ↑ Borys Kit(2009年4月23日). “Joseph Gordon-Levitt joins 'Inception'”. The Hollywood Reporter 2009年4月24日閲覧。
- ↑ http://www.rottentomatoes.com/user/801668/reviews/
- ↑ Borys Kit(2009年4月1日). “Three circle Nolan's 'Inception'”. The Hollywood Reporter 2009年4月2日閲覧。
- ↑ http://www.dvdtalk.com/reviews/44694/inception/
- ↑ Production Notes 2010, p. 8.
- ↑ http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2010/06/30/a-man-and-his-dream-christopher-nolan-and-inception/
- ↑ http://www.thestar.com/article/836236--howell-relax-and-enjoy-the-ride-inception-director-says
- ↑ Michael Fleming(2009年2月11日). “Nolan tackles 'Inception' for WB”. Variety 2009年2月25日閲覧。
- ↑ Blass, Teddy (2009年6月8日). “Filming of Inception Already Underway in Japan”. Nolan Fans. 2009年6月8日閲覧。
- ↑ Haas, Alex(2009年7月23日). “Production Update #1: Global Production Commences”. Nolan Fans 2009年8月6日閲覧。
- ↑ Haas, Alex (2009年7月16日). “Inception Shooting at University College London”. Nolan Fans. 2009年7月16日閲覧。
- ↑ George(2009年8月14日). “Inception Filming in Paris, France Next Week”. Nolan Fans 2009年8月16日閲覧。
- ↑ Haas, Alex(2009年8月17日). “Images from Inception Filming in Paris”. Nolan Fans 2009年8月17日閲覧。
- ↑ Haas, Alex(2009年8月25日). “Inception Filming in Tangier”. Nolan Fans 2009年8月31日閲覧。
- ↑ “Hans Zimmer’s Inception Score Will Release On July 13th”. Screen Rant (2010年6月18日). 2010年7月1日閲覧。
- ↑ 21.0 21.1 Martens, Todd(2010年7月20日). “Hans Zimmer and Johnny Marr talk about the sad romance of Inception”. Los Angeles Times 2010年7月20日閲覧。
- ↑ http://www.inceptionscore.com/
- ↑ Plumb, Alastair(2010年7月9日). “Inception World Premiere Report”. Empire 2010年7月9日閲覧。
- ↑ Vlessing, Etan(2009年10月1日). “Imax books Inception”. Hollywood Reporter 2009年10月1日閲覧。
- ↑ Jeff Bock(2009年2月24日). “WB NAME DROPS BIG TITLES”. ERC Box Office 2009年2月25日閲覧。
- ↑ “渡辺謙、帰国して舞台あいさつにサプライズ登場!ディカプリオの「日本の国宝」発言に照れ!”. シネマトゥデイ.(2010年7月15日) 2010年7月17日閲覧。
- ↑ “New Inception Viral Surfaces: Dream - Share Manual”. The Film Stage (2010年6月2日). 2010年6月3日閲覧。
- ↑ “New Inception Viral Poster”. The Film Stage (2010年6月7日). 2010年6月7日閲覧。
- ↑ Fritz, Ben(2010年7月13日). “Warner gambles on an unproven commodity”. Los Angeles Times 2010年7月13日閲覧。
- ↑ “7月7日夜7時7分、映画史上最大規模の映像ジャックが発生!”. シネマトゥデイ.(2010年7月7日) 2010年7月17日閲覧。
- ↑ http://www.boxofficemojo.com/weekend/chart/?yr=2010&wknd=29&p=.htm
- ↑ Gray, Brandon (2010年7月19日). “Weekend Report: 'Inception' Incites Intense Interest - Box Office Mojo”. Box Office Mojo. Internet Movie Database. 2010年7月21日閲覧。
- ↑ 'Inception' Maintains Grip, 'Salt' Savors Second Place
- ↑ 'Inception' Keeps Dream Alive
- ↑ “Inception (2010) – Trailers, Reviews, and Ratings”. 'Rotten Tomatoes'. Flixster. 2010年7月17日閲覧。
- ↑ “Inception reviews at Metacritic.com”. 'Metacritic'. CBS Interactive. 2010年7月17日閲覧。
- ↑ Pierce, Nev(2010年7月6日). “Inception”. Empire 2010年7月7日閲覧。
外部リンク[]
テンプレート:Wikiquote テンプレート:Commons category
- 公式ウェブサイト (英語)
- 公式ウェブサイト (日本語)
- インセプション (映画) at the Internet Movie Database (英語)
- テンプレート:Metacritic film
- テンプレート:Rotten-tomatoes
- テンプレート:Mojo title
- Inception 質問と答え (英語)
テンプレート:クリストファー・ノーラン監督作品 テンプレート:2010年日本週末興行収入1位の映画 テンプレート:Movie-stub
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